その後のこと

もきちが死んだのは18日の正午である。コーラを飲みながらタクシーで帰宅。
その後、もうひとりの飼い主である元妻に彼の死を伝える。

翌19日、間接的にウェブサイトを作成した霊園がペットも扱っているため、一度も訪れたことのなかったそこへ向かう。
大柄のもきちは火葬に少し時間がかかるとのこと。待合室で瓶のコーラを飲む。他に人はおらず、落ち着けると思ったが、大きなガラス窓に体を叩きつけ続ける蝿が一匹いた。

骨壺は思いのほか大きく、小脇に抱えて電車とバスを乗り継いだ。

多くの人から、もきちの死を悲しむ言葉や励ましの言葉を頂いた。とてもありがたいことだった。

翌20日。もきちは18日の未明まで餌を食べていたため、その後の慌ただしさのせいで容器には食べ残しがそのままになっていた。それらや彼のトイレなどを片付ける。部屋がずいぶんがらんとした。

猫は環境の変化を嫌う。この家に越して6年と少し、大きな模様替えはしていない。部屋の掃除には洗剤を使わず水だけを使ってきた。
ふと、もうそうしなくても良いのかと気づき、もきちの物を片付けるだけのつもりが模様替えを兼ねた大掃除となってしまう。

夕方、休憩を兼ねて彼の遺影をプリントしようと出かけたが、大量の写真の中から一枚を選ぶことができなかった。写真立てだけを購入し帰宅する。花屋を少し眺めたが彼に合う花は見当たらなかった。

翌21日も引き続き模様替えと大掃除。
なかなか手を付けられない仕事部屋で小休止していると、机を一匹のハエトリグモが横切った。思わず笑ってしまったのは、このハエトリグモはずいぶん長い間この家にいて、幾度かもきちに狙われたもののすべての危機を彼の鈍臭さによって免れていたからだった。

この日記を書いている最中も、キーボードから液晶画面に、それからカーテンへと移動していった。カラスが鳴き始める時間だ。
まだこの家で暮らしているのだろう。